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第五回川辺川ダムを考える住民討論集会

2002年12月21日  場所:熊本県人吉市カルチャーパレス
主催:国土交通省
今回で5回目を迎えた住民討論集会は治水をメインテーマでした。
しかし、治水問題の終結としては全くお粗末なものでした。第四回までの討論の積み重ねにより、争点が明確化されてきたにもかかわらず、最後の土壇場になっても国土交通省はまったく真面目に答えませんでした。
ダム推進をすすめる人々は、早朝5時には千数百人が結集して会場前は異様な雰囲気に包まれていました。告知された開場時間である午前九時前に、会場へ入れたため、ホールはすぐに満杯になり、10時に合わせて会場に足を運んだ一般参加者が事実上、入場できなくなるという事態に。
早朝から建設業界各社の”社命”によって集結した推進派の人々は、国土交通省の案内で開場時刻前に会場へ入れるシステムに!
[午前8時30分頃
[午前8時45分頃]↓

一方、十時の開会まで余裕を持って参加した人々は、外で足止め。
もちろん、会場に確保してある空席はわずか100。
会場外に設置されたモニターを見ることに。

ダムに反対する住民グループの真面目な質問に、全くまともに答えなかった国交省のやりかたに、
「住民グループと国交省、治水で平行線」と、翌日の朝刊にはお決まりの見出しが。

「平行線」ではなく、国交省は終始まともな論戦から逃げていたとしか見えませんでした。

ダム建設推進の建設業界の”社命”で参加した人々で満杯になった会場と、壇上で「資料」をめぐって紛糾の一コマ。しかし、これは国交省のでたらめさを赤裸々に露呈することに。

ダムに反対する住民側のデータが「でたらめ」であると、国交省の技官が自信満々と言い放ちました。しかし後で、そのデータを住民側に開示していないことが判明するという、とんでもない一幕もありました。ダム推進の建設業界の強力な後ろ盾に、国交省のお役人も思わず”勇み足”。

ダムによる治水が妥当であるか、疑問は深まるばかりでした。
次回はいよいよ環境がテーマ。

「国土交通省には、もっと真摯に答えて欲しかった」、参加した人の正直な感想でした。

文と写真:おおはたやすお
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