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ふるさとに帰りたい―――ハンセン病国賠訴訟全面勝訴
写真と文 大畑靖夫

5月10日夜の判決前夜集会―熊本市白川公園]

 菊池恵楓園の納骨堂から採火された御霊は、全国の隔離施設2万余名の御霊とともに、集会場に運ばれました。らい予防法のもと、強制隔離されて90年余り、隔離施設を出ることなく眠った人々がやっと明日の判決を前に、大勢の支援する市民の手でここまでたどり着きました。

 映画「厚い壁」の舞台になった菊池恵楓園から10Kmの道のりを、歩いて会場まで届けました。ふるさとに帰りたい、フィナーレでは「ふるさと」を皆で合唱しました。1500名の参加者の声が夕暮れの会場に轟きました。幾多の困難を越えて、やっと生まれ故郷へ帰れること願って。
5月11日朝、全国で初めてのハンセン病国賠訴訟判決がでました

「人間としての権利」を認める、素晴らしい判決が出ました。

 国の強制隔離政策を断罪し、らい予防法が既に違憲性が明白だったのに、これを廃止しなかった国会に対しても裁判史上初めてその違法性を認める画期的な判決でした。勝訴判決の第一報が届くと、熊本地裁前は集まった全ての人々の歓喜でどよめきました。


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