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食べて飲んで語らう、まるごと川辺川
2004年8月21〜22日  第8回 清流・川辺川現地調査
今年も、川辺川現地調査が開かれました。全国から350名を超える人々が参加して大盛況でした。

もともと、「ダムの水は要らない!」川辺川利水裁判のことを多くの人に知ってもらうために企画されたイベントでしたが、回を重ねるごとに川辺川ダム問題はもとより、農業のこと、流域経済のことにまでテーマが及んでいます。

ダムサイト予定地での見学光景

「現地調査」というと、なんだか難しそうな印象ですが、リピーターの多さからもわかるように、「川辺川を丸ごと食べてしまう」楽しい側面をあわせ持っています。美味しいものをたくさん食べて、飲んで、現地の人と交流してこそ、川辺川ダム問題を深く知ることができるようです。
(鮎の塩焼き)

五木・川辺川ダム予定地見学コースでは西村久徳村長自ら案内、ダム問題に翻弄されてきた五木村についての熱のこもったお話がありました。代替地に移転された茅葺の古い民家に私たち見学者を特別にあげてもらい、昔の五木村の生活を肌に感じながらの学習でした。


恒例となった権現河原(相良村柳瀬)での大交流会では、地場産の野菜と肉、それに川辺川の鮎の塩焼き、球磨焼酎を堪能しました。特徴的なのは、原告農家のご婦人方による”手作り”の暖かいおもてなしです。

おりしも川霧が薄くかかり、幻想的な演出をしてくれる川辺川に参加者みんな感激。ロマンティックな夜に!してくれそうです。ラッキー。

(学生ボランティアたちと暮れなずむ川辺川)
その川辺川をバックにした野外舞台では、東京、京都、福岡等々遠路はるばる駆けつけた”川辺川サポーター”が思いっきり挨拶。いつものことながら、たくさんの元気を貰います。特に今年は、学生ボランティアの熱気に圧倒されました。ダカラ、川辺川は強いのだ!!

翌日は基調報告と「住民参加から住民決定へ」をテーマにたくさんの人から報告と、決意表明。昨年5月に川辺川利水裁判で国に全面勝訴し、裁判は終わったけれども、ますます多忙となった弁護団の先生方のお話が印象的でした。


シンポジュウム「住民参加から住民決定へ」

地域の営農をどう構築するのか、弁護士業の範疇を超えた真剣には驚くばかりです。かつてのように、ただ行政に依存するのではなく、農民自ら考え、自ら決定していくという民主主義の学校が、まさにここ熊本で進んでいるのです。全国に思いが届く、そんな第8回清流・川辺川現地調査でした。
ありがとう、皆さん、また来年も。

文と写真:おおはたやすお
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